今日、吉原へ向かう途中で礼服のご老人を沢山みかけました。
なんだろうと思っていたら
両国にある東京都慰霊堂で「春季慰霊大法要」がおこなわれてたようです。
1945年3月9日の夜間行われた未曾有の大空襲により深川、城東、浅草、芝は
壊滅的な被害をうけました。
381,300発、1783tの爆弾を落とした訳ですから尋常ではないのが判ります。

私の祖母は当時、京島で芸妓をやっていたそうで3月10日の大空襲の話は
1000回くらいリフレインして聞かされました。
逃げる途中、隣を走ってる人に焼夷弾が突き刺さったり
水を求めて隅田川で逃げると焼死体で川一面が埋め尽くされていたなど本当に悲惨だったようです。
慰霊堂には空襲時の溶けた瓦など展示されてますので、焼夷弾の恐ろしさが目でみれます。
祖母は飛行機が上空を飛んでいたり、花火の音を聞くと全身に冷汗をかいていましたから
今で言うPTSDは根深いものがあったのでしょう。

当然、今の吉原も壊滅状態になった訳ですが、当局の命令で戦威向上と、
治安確保の為即、空襲下再建着手し、8月、焼跡のビル(四ケ所)を改修して営業したそうです。

天麩羅で有名な土手の伊勢屋さんと隣の中江さんは、奇跡的に戦火を逃れたそうで
今の建物は昭和2年からずっと残っているそうです。
残っているといえば京島(京成曳舟付近)も戦火を逃れてるんですよね。
路地に入り込むとまるでタイムスリップしたような感覚に陥ります。