客商売には
「馬鹿には出来ず利口も出来ず、中途半端で尚出来ず」という諺があります。
稼業や職人の世界でも同じ事を言いますが、特に客商売(水商売)では大事な言葉だと思います。
10数年前、水商売をしていた頃にイヤと言うほど叩き込まれた言葉です。
“馬鹿には出来ず”
これは判りますね。どんな仕事でも馬鹿は困ります。
“利口でもできず”
利口なら良いじゃないかと思いがちですが
水商売、稼業、職人とある特殊なルールの下で行う仕事には
納得する、しないに関わらず守らなくてはいけない事がある訳です。
これは変に考えて悩んだり、自分の小さなプライドを守る為に
小賢しい所をだすなと言う事ですね。
もちろん最後の“中途半端で尚できず”は大事ですね
やるなら『やる』 できない、やりたくないのなら辞めてしまえば良いんです。
これが判るまで先輩にもお客さんにもケッチョンケチョンにされ
何度も辞めてやろうと思いました。
でもある日、ヤケクソになって吹っ切れたんですね。
それからはパーッと道が開けたように仕事が楽しくなってきました。
どんな商売でも嫌な事はあります。
みんなが楽しんで仕事をしている訳ではありません。
人より稼ぎたかったら“人の嫌がる仕事”か“人が出来ない仕事”のどちらかです。
借金でガチガチにされマグロ漁船に放り込まれた訳ではないのですから自らが選択した道のはずです。
ならば『やる』しかないんです。
先日、ある姫との会話の中で『中途半端で尚出来ず』を痛感しました。
女として一番大事な物を賭け、文字通り肉体を擦り減らす職業なんです。
ならば『やる』しかない。
お店から
「いまひとつパッとしないから、なんか取材してよ」
と言われるケースがあります。
ルックスもスタイルも特に遜色ない子が殆どです。
写真で見ただけなら「はいってみたいな」と思うでしょう。
でもアイドルではありません。
話して、触れる泡姫なんです。
取材してて「勿体無いな~」と思う事が多々あります。
こればかりは自分で気が付くしかないです。
ホント
馬鹿には出来ず利口も出来ず、中途半端で尚出来ずですね…